『女っ気なし』@ユーロスペース

何でもすぐに忘れてしまう。あんなにドラマチックだった過去とか。自分を置いて知らない誰かとどこかに行ってしまった人のこととか。海がすごく綺麗だったこととか。安いチョコレートケーキの味とか。

バカンス映画なんて結局ハッピーエンドなんか似合わないから、って、これももちろんキャッキャウフフな終わり方じゃなかったけれど、「寂しくったって生きていける」みたいやちょっと投げやりな前向きさが最後まであってすごーくすごーくよかったです。これを見て勇気が出るとか生きる活力がわいてることはまぁないんだろうけれど、これでいいって思ってもいいのか〜って背中を押されるような気持ちがしました。

監督は優しい人なんだろうなぁ。女性にもだけれど、男性にも。きっと。だって主人公のシルヴァンが(薄毛だろうがおデブだろうが私服のセンスがなさすぎだろうが)とてもキュートだったから。